老化研究のための実験動物
担当:実験動物部門、倉本 和直 研究員、朱宮 正剛 研究部長
老化研究には老化の過程を追求し老化の機構を解明する研究と、寿命短縮因子となる老人性疾患などの本態を解明する研究に分けられます。これらの研究手段として、個体レベルはもちろんのこと、細胞・分子レベルの研究材料としても老化モデル動物は不可欠です。
マウスは多くの系統が確立され、ヒトに次いで全遺伝子解析が進展しており、ヒト遺伝子との対応も明らかにされております。最近では発生工学的手法を用いて、直接ヒト遺伝子をマウスに導入したトランスジェニックマウスや相同遺伝子の機能を破壊したノックアウトマウスが広く医学生物学分野で利用され、老化研究の分野でもマウスは老化モデル動物として中心的役割を果たしています。
老化研究に用いられる実験動物は、老化の比較生物学的モデル動物と老人性疾患モデル動物に分けることができます。後者はさらに自然発症モデルと実験誘発モデルに分類できます。老化研究に用いられる実験動物はマウスとラットで全体の70〜80%を占め、世界的にこの傾向は変わりません。アメリカ国立老化研究所(NIA)ではマウスの系統として、近交系のC57BL/6NNia、 DBA/2NNia、 CBA/CaNNia、 BALB/cNNia、 交雑系のB6C3F1、 B6D2F1、 CB6F1、 クローズドコロニー(アウトブレッド)系としてCrl:CobsCFW(SW)、 ラットでは近交系のF344/NNia、BN/BiRijNia、 交雑系のF344BNF1などの系統を育成供給しています。(財)東京都老人総合研究所の老化動物育成コロニーでは近交系のC57BL/6CrSlc マウスと交雑系のBDF1マウス、および近交系のF344/DuCrjラットとWistar/Tigラットの育成供給を行っています。 F344/DuCrjラットでは間欠給餌法による制限食育成供給も行っています。低蛋白低エネルギー飼料で育成した(F344×BN)F1ラットは有色の長命系統として期待されます。また異なる低蛋白低エネルギー飼料で育成したF344/Tig1、 F344/Tig2、 F344/Tig3、 F344/Tig4の4亜系ラットは遺伝と環境に関する老化研究用モデルとして有用と思われます。
- 老化育成動物
- C57BL/6CrS1cマウス、Slc:BDF1マウス、F344/DnCrjラット(含制限食)、
- Wistar/Tig ラット
- 老化モデル動物
- 老化マウス、ラットの病理学
- 老化研究用飼料の開発

老化育成動物を用いて老人研内で実施された研究の業績一覧
(データベースファイル作成:情報科学部門 ・柴崎公子)
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